ダブルフルート職人との日々

今まで使用していたインドスタイルのアルゴーザ&サッタラは、
ラージャスターン州ジャイサルメール市内の楽器職人のモハーン・ラル・ロハール氏のもの
同市内側のムールサガール村のアルゴーザ&サッタラの名工タガラーム・ビール氏のものを
使っていましたが、見識を広める意味でも、
新たにパーキスターンスタイルのアルゴーザを作る
職人ハキーム・ハリダース・ラーム・ベールさんに、
自分たちの滞在先のジャイサルメール市内のアーティストコロニーまで
遥々90キロ離れたクーリー村の近郊より来てもらい
アルゴーザを、いくつか作っていただきました。
特徴としては、砂漠の乾いた気候の風土で仕入れる木材と、その気候で完成した楽器が
日本の四季の変化の豊かな気候ではあまりにも木材の、寒暖による膨張と収縮が激しさに
楽器の演奏できる状態と、不能になることのスイッチの入り方が不安定に感じていましたが、
パーキスターン製はウィンドウェイが広々していて、インドスタイルに比べ息の量がだいぶ多く必要になってきます。その分パーキスターンの音楽らしくワイルド音色が得られるとともに
オクターブのコントロールをする際に、膨張と収縮による音が詰まってでなくなることが非常に少なくなることが期待できます。
今回は、ハリダース氏に自分たちの滞在先のジャイサルメール市までバスを3回乗り継いできてもらいました。インドの年に一度のホーリー祭を2週間先に控えた季節。
家族でホーリーを迎えることが習わしのインド文化、ハリダース氏の出張制作期間もリミットはホーリー祭の直前ギリギリには村に戻るとのことでした。
原木を材木屋さんで選び裁断するところから始まり
電動の機械は、一切使わないで!
伝統的なフリーハンドで笛を作るという驚異的な作業。。。

ジャイサルメール市内の材木屋にて、


頑丈な材は、年を増す毎に甘くふかみのある音色が生まれるシーシャム(ローズウッド)材

シャープでくっきりソフトな音色のケール材

ケール材のアルゴーザ作成中 左はドローン菅の「マダ」、右は旋律管の「ナル」













フルタイムつきっきりで奇跡的に全行程を見せていただきました。
ハリさんもホーリー祭前には娘さんや家族の待つ
クーリー村まで帰らなければいけないし、
その後は、僕も次の旅路グジャラートへの音旅の予定も迫っている中、
限られた短い作成期間の中で、朝6時から夜12時過ぎ頃まで毎日ひたすらつきっきりで、
作業進める中、その場その場で必要な道具の出し入れなどのサポート。 自分のカースト以外の作った食事や飲み物は絶対に口にしないので、
毎日の食事も近所の食堂からテイクアウト、
一日5〜6回はあるチャイタイムには、
テイクアウトのためにチャイ屋と作業場のポンピング、
葉巻タバコのビリーがなくなっては雑貨屋にお使いに、、、 を数え切れないほど続ける、、
正直もううんざりで、毎日ぐちっをこぼしまくっているパシリの自分。
ハリさんの作業効率を落とさないために、手と足となってひたすら自分のオーダーが出来上がるのを、込み上げてくる感情をグッっとこらえて見守る時間。
途方も無く長い時間にもかんじられたけれど、ハリさんはただ黙々と楽器になりつつある材料に丁寧に刃物を当て続けてくれました。
何より、今まで所有してるアルゴーザがどうも湿気の多い日本の気候に耐えうるかどうか微妙な楽器に感じていたところ、日本の気候にも耐えうるコンデイションの笛を作ろうと。
とオーダーに応えてくれたとっても働きもののハリダースさんには頭が下がる思いでした。
どの楽器にも共通することだと思いますが演奏以前に、
何よりもメンテナンスについて知る良い機会でした。 ハリダース氏の心より感謝。
何より、今まで所有してる楽器が日本の気候に耐えうるかどうか
微妙な楽器に感じていたところ、どの気候にも合う良い響きの笛を作ろうと!!
とオーダーに応えてくれた
働きもののハリダースさんには頭が下がる思いでした。
どの楽器にも共通することだと思いますが演奏以前に、
何よりもメンテナンスについて知る良い機会でした。
